静かな佇まい。

人もまばらで、ゆっくりお参りができそう。


「俺、行ってくる。お参りする前にお前を探したから、まだ初詣ができていない。」


「あ、私も行く。」


参道を走って、長い階段の上に建つ社まで向かった。


上原くんは、カランカランと鈴を鳴らして、静かに手を合わせる。

私も隣に並んで、そっと手を合わせた。



お祈りし終わって横を向けば、上原くんもこちらを向いていた。


あ…。

目があった瞬間、心臓が恐ろしいほど
暴れ出す。

私は視線を外す。


「おわった?」


うんと小さく頷くのが精一杯。