「…あ、オレ、うん、見つけた。…いや、行かない、疲れたから帰るって、うん、そう、…みんなにも言っといて、あ、オレも帰る、うん、親戚来るから…はい、じゃね。」


上原くんは、手身近に電話を切った。


「ちょ、ちょっと待って。なんで私も帰ることになってんの?みんなのところに行かなきゃ…。」


「めんどくせーじゃん。結は無事だったんだし、もう、行かなくていいよ。」


「え?上原くん、なに言ってるの?それ、どういう意味?」

私は頭が整理できずに、軽くパニックに陥る。


「だから…めんどくせーから、あいつらのとこには行かないで…俺とどっか行こうってこと。」


…⁈

なに?今、なんて?

俺と…?



「…えっ?ええっ?」


「うるさいな、嫌ならいいよ、俺も帰るし。」


上原くんは「じゃあな」と手を上げて、さっさと走り出す。



「あ、ちょっ、ちょっと待って!」

私は、上原くんを追って走り出した。