目が覚めたのは、夜だった。

矢島くんは、ベッドに頭を乗せたまま眠っている。


「矢島くん。」


「…ん?あ、起きた?」

矢島くんは冷却シートを剥がして、私のおでこに手を当てる。


「良かった…少し下がったみたい。」


「ごめんね、ありがとう。もう帰らなきゃ…。」

時間を見れば、もうすぐ7時。


「そうだね、送るよ。立てる?」


ゆっくり起き上がって、ベッドに座る。

頭がぐるぐるする。
それでもなんとか、立ち上がろうとした。

膝がガクンとして、後ろに倒れそうになる。


「上原さん!」

あっ…。

矢島くんの手が伸びて、抱きかかえられながら、ベッドに倒れこんだ。