気が付いたら、ベッドの上だった。



身体が熱い。

「上原さん、大丈夫?」


矢島くんが、私のおでこに手を当てる。
ぺたりと冷却シートが貼られた。


「矢島くん、ここは…?」

「うん、俺の部屋…。」


「えっ、どうして…。」


「上原さんの家に行ったんだけど、誰も出なくて…。」

ああ、そうだった。
今日は、親戚の家に行くって言ってた。


「だからそのまま、俺んとこに連れてきた…ごめん。」


「お家の方は…?」

「今日はみんな出かけてる…。」


「そっか…。」

身体が熱くて、話すと苦しくて、息が上がる。


「ごめんね。体調悪かったのに無理させて…これ、うちにあったやつだけど飲んで。」


出してもらった風邪薬を飲んだ。

ごめんね…せっかくの誕生日なのに…。