「だから、俺の側から離れないでね。泉」


「………うん」



もう、そんなんずるいじゃないか。

もう…何も言えない。




優しい、伊織のキスに身を任せる。






信じてよかった。


この人を。伊織を。



ずっとずっと。



信じてよかった。




でなきゃ、今の幸せはきっとなかっただろう。






何もかもが、うまくすり抜けて。


何もかもが、うまく交わりあう。




私と伊織はそうだったよね。






すれ違っていたようで。


私と伊織はどこかで重なっていたんだ。



すれ違いだと、言い切ればそれまでだけど。
全て伊織と私を重ねるきっかけだと思えたら。



たんぽぽ院も、聖も。

何もかも。



どれほど、素敵なのだろうか。





愛してるなんて言葉じゃ足りない位だけど。



でも、言わせて。