どうせならば、イベントは楽しみたいじゃないか。


記念日だって、大事にするんだ。


付き合った日のこと、一生忘れられないと思うし。

再会出来たことだって、忘れられない。



そうやって、少しずつ毎日に意味を持たせて、笑顔で過ごしたいんだ。



……それが私の理想。




心が弾んでいる私は、軽くスキップなんてしながら伊織の家へ向かった。

もちろん、周りには誰もいないことを確認してからのスキップだけども。



早く家に行きたかった私は、思ってた以上に早足で歩いていたらしい。

あっという間に伊織の家に到着した。



いつもと何も変わらないアパートを見上げる。


それから、自棄にカンカンと足音が響く階段を上がって私は伊織の部屋へと向かった。



ポケットから、キーケースを出すと合鍵を鍵穴に差し込む。




この合鍵を見る度、口元が緩んだ。

もう、何度もこれで開けてるのにいつまで経っても慣れない。




これで本当に一緒に暮らしたりなんから、私ニヤつきすぎて気持ち悪い女になっちゃうよ。

伊織ならそんな私をからかいそうだし。うん。