それから、二人でご飯を買ってきて食べて仲良く一つの布団で眠った。

毎日、抱き合う必要なんてない。
体が欲しいわけじゃない。

泉が欲しいのだから。



眠りについていた俺は、時折目を覚まして隣に泉がいることを確認する。

ふっと、目覚めたときに隣に愛しい人がいること。

これがどんなに嬉しいことかなんて、今まで知らなかった。


散々、女と関係を持ってたくせに。
そんなことすら知らない。

俺の生きる意味は、この辛さを背負うものなのだから当然なのだけれども。


だからこそ。


突然、泉が消えてしまうのではないかと怖くなる。

そして、不安になって夜、目覚めてしまう。


きっと、この不安が消えることなんて一生ないだろう。

それが俺の、背負うべき罪なのだから。


「…泉」


すやすやと何も不安なんてないようなすこやかな顔で眠る泉の頬を撫でた。

その頬をなめるように落ちる手。


「…もう、離さないから」



だから、安心して。