レンタル彼氏【完全版】

「じゃあ、一番下さい」


「お、即決でいいんですか?」


「はい、いいです!!」


「いいですね、これ絶対喜びますよ。
俺なら泣きますね」


「はは、大袈裟ですよ」


「そんなことないですよ!
あ、ラッピングしておきますねえ!」


「ありがとうございます」


その店員さんは器用に包装をしていく。
男の人だけど、とっても綺麗にラッピングしてるなあ。
感心しながら私はラッピングされる様を見つめた。


会計してから、綺麗に梱包された包みが入った袋を受け取る。

深々とその店員さんは頭を下げて、ありがとうございますと言った。


「明日ならきっとなかったですよ」

真顔で言うその店員さん。


「本当ですか?」


「はい、この木村が言うから間違いないです!」


名札を見ると、確かに木村とあった。


「木村さん、ありがとうございます。
今度は彼氏も連れてきますね」


「はい、ぜひぜひ!」


まだ頭を下げる木村さんに私も笑顔で頭をぺこりと下げた。