五階で降りると、私は店内を見渡した。

あまり来ないから、何があるとか全くわからない。

聖と来たぐらいだ。



そういえば、聖がいいって言ってたブランドあったなあ。
ここのフロアの、どこだっけ。

すぐそのお店の名前が出て来ないから、とりあえず時計回りに歩くことにした。


ちょこちょこ、気になるとこを見ながらもこれだってのはなくて違うお店に足を進める。


何件か見た時、私は見覚えのあるブランドを見つけた。


あ。
ここだ。

聖が好きなブランド。


まだ、開店したてで誰も店内にはいない。

そのお店の中に入った。


洋服を見ているが、サイズがわからないからどれを買えばいいか迷う。

でも、今まで見た中で一番かっこいい。



見ていると、後ろから

「お客様、何かプレゼントですかー?」

男性の声がかかる。

後ろを振り向くと、ニコニコと愛想よく笑う男の人が立っていた。


「あ、プレゼントって何で…」


「女の子が一人で買いに来るなら誰かにプレゼントかなって思ったんですが、あれ。違いましたか?」