くっくっ、と喉を鳴らしながら笑うと


「……玉子、サンド」


そう言った。


「玉子サンドね、わかった!任せて!」


思ってたよりも、簡単なメニューだったからか、泉はホッと胸を撫でおろしている。



だから、つい。

「玉子サンドにはうるさいよ、俺」


そう言ってからかいたくなった。



泉は固まりながら、ぎこちなく笑うと頑張る、と呟いた。


それを見て俺はまた笑った。





泉が、隣にいるだけで。


モノクロだった世界が色づく。


それは、まるで秋に燃えるように紅く揺らぐ紅葉のような。





「……泉、好きっ」


からかった所為で、少し青い顔をしてる泉の頬にキスをしながら言う。


不意打ちのキスに、泉はバッとキスされた場所を手で覆う。



「…………」



違う意味で固まった泉を意地悪く見ると、俺は立ち上がり仕事の準備を勝手に始めた。


その間、泉はさっきの体勢のままずっと動かなかった。




一通り準備をした俺は、声をかけながら泉の顔を覗きこむ。


「泉?」



その顔を見てハッとした。