私は。



昔も。


今も。


これから未来も。



ずっと、ずっと。




伊織のモンだよ。






「……っ」


「…俺といて、後悔するかもよ?」


「…はっ?」



伊織が言った言葉に訝しげな顔をする。

伊織は俯きながら、続けた。




「…俺、泉を失いたくないから…きっと独占する。
何もかもが欲しくて、泉がいつか俺に愛想尽かすかもしれない。

……未来は、わからないから」


「………………」






それは、伊織のずっとずっと抱えていた闇だった。


ほら。


こんなにも伊織は私にその闇を見せていた。





幼かった私は…気付けなかったんだよね。





何度も何度も裏切られた伊織は、また私がいなくなることを何よりも恐れているんだ。



信じたいのに、信じられない。



信じて裏切られた後、耐えられる心を、もう持ってないんだ。




どうして。




気付けなかったんだろうね。




伊織は。





ずっと私を、求めていたのに。

私だけを求めていたのに。