今日は給料日。


昨日、聖と吏紀はそわそわしていた。



だって、二千万の半分の一千万は見たこともないお金だろう。

俺もそうだ。



ドキドキしながら俺は佐々木が来るのを待った。



ピンポーンとインターホンが鳴り、逸る胸を抑えながら玄関の扉を開けた。



「こ、こんにちは」



佐々木はどでかいアタッシュケースを持ちながら中に入って来た。

仄かに汗をかいている。



お金といえど、一千万円もあれば結構な重さだろう。



リビングに入ると、どさっとアタッシュケースをテーブルに置いた。





「…給料です。そこに鍵あるんで、こないだ渡した暗証番号を入れてください」


「……ん、わかった」


「それでは」



佐々木はそれだけ言うと部屋から出て行った。



俺は視線を玄関からテーブルの上にあるアタッシュケースにうつした。




それから鍵を自分専用の番号に合わせて開封した。






中には大量のお金。

新札で百万ごと束になっていた。





………すげえ。

これ、俺のモンだよな?



……やっべ、何買おう。