ふふっと笑うと、私は鈴恵さんと子供たちに見送られながらバイクに乗り込んだ。





あ、聖にも報告しようかな。

多分、聖も伊織に会いたいのではないだろうか。






私は何もわかっちゃいなかった。



聖がどんな気持ちで私を見ていたのかなんて。






ねえ。


近くにいなくて抱きしめられないのと。


近くにいるのに抱きしめられないのとでは。




どちらが辛いのかな。






……私にはわからないよ。