レンタル彼氏【完全版】

「いいじゃねえか、もう」


順二の顔は心なしか赤い。
照れた順二が可愛くて、ついからかいたくなる。


「告白はどっちから?」


「…………彼女」


「うひょっ、付き合ってどのぐらい?」


「…………三ヶ月」


「うひゃっ」


「何だよ、もういいだろっ!てか、泉はどうなんだよ!」


照れ隠しの為に、少し強めに順二が言う。


「…あー、うん」


それに私は曖昧に笑いながら答えた。





順二。

私は高校生のあの時から。
まだ変わらないんだよ。



伊織だけが好きなんだよ。



私の返事で順二はすぐに誰だか察して、吃驚した声を出した。


「まさかっ、まだ好きなのかよ?」


目を真ん丸に見開いて、呆れた顔をする。


「…えー、うん、はい」


「…………お前、中々のアホだな」


「うっ、うっさいなあー」


「…………それじゃ」


「え?」


「俺が泉を好きだった時よりひでえじゃん」


「っっ」


眉を情けなく下げた順二の顔に、きゅうっと胸が苦しくなる。