誰だろう…?
【立花伊織様】
そう、綺麗に書かれた後ろには鈴恵さんの名前があった。
「…鈴恵さんから?」
携帯がないから、手紙にしたのかな。
俺がたんぽぽ院を出る時。
鈴恵さんから渡されたモノ。
それを、まだ使えていない。
――――――………
「寂しくなるわね」
荷物をまとめて、たんぽぽ院の入り口に立った俺を見て鈴恵さんが言った。
鈴恵さんの足には、あんやまさとや皆がしがみついて俺を見た。
「にぃに、いなくなるの?」
今にも泣き出しそうな、あん。
皆を抱き締めてから、俺は立ち上がると鈴恵さんを真っ直ぐと見た。
「……鈴恵さん、ありがとう」
「いいえ、伊織がいて助かったのは私の方よ」
「……そうかな」
「ええ、そうよ」
鈴恵さんは相変わらずの笑顔で、俺を優しく見つめる。
それからあんやまさと達を院の中に戻らせると、また俺と向き合った。
「…伊織」
そう言うと、鈴恵さんはつけてるエプロンのポケットからあるモノを取り出した。
【立花伊織様】
そう、綺麗に書かれた後ろには鈴恵さんの名前があった。
「…鈴恵さんから?」
携帯がないから、手紙にしたのかな。
俺がたんぽぽ院を出る時。
鈴恵さんから渡されたモノ。
それを、まだ使えていない。
――――――………
「寂しくなるわね」
荷物をまとめて、たんぽぽ院の入り口に立った俺を見て鈴恵さんが言った。
鈴恵さんの足には、あんやまさとや皆がしがみついて俺を見た。
「にぃに、いなくなるの?」
今にも泣き出しそうな、あん。
皆を抱き締めてから、俺は立ち上がると鈴恵さんを真っ直ぐと見た。
「……鈴恵さん、ありがとう」
「いいえ、伊織がいて助かったのは私の方よ」
「……そうかな」
「ええ、そうよ」
鈴恵さんは相変わらずの笑顔で、俺を優しく見つめる。
それからあんやまさと達を院の中に戻らせると、また俺と向き合った。
「…伊織」
そう言うと、鈴恵さんはつけてるエプロンのポケットからあるモノを取り出した。