「ふ~ん、そんな事があったんだ…。
大変だったね、泉」


「……まあ、うん、大変っつうかなんつうか」



土曜の午後。

私は久しぶりに和を誘って、ご飯を食べていた。


会社勤めの和は土日休み。
大きくない会社だけど、仕事は充実してるらしい。

ちなみに、春から彼氏と同棲を始めたらしい。
結婚ももちろん視野に入れて。


「っつか、その聖って奴もムカつくな。
会ったら一発しばきたいわ」


口を尖らせながら、和は言う。
それに苦笑いする私。

「泉、お人好しすぎだよ。
だって、あの伊織に再会出来たかもしれないのに」


「…うん、まあ、そうだよね」


「連絡はしたの?」


「……してない」


「はあっ!?」


私の返事に、でっかい声を出す和。
あまりにもでかすぎて、周りに注目されてしまい、和は肩をすくめた。


それから静かに話しだす。


「何で連絡しないのよ?!」


「…していいか、わからない」


「はああ?!」


さっきよりもボリュームを抑えながら和が言う。