季節はいつの間にか、秋から冬に移り変わりそうだった。


それでも私達は相変わらずだった。

聖は相変わらず大学に顔を見せるし。
尚子と学は相変わらず仲良しだし。

私も相変わらず、伊織だけを好きだし。


あれから、何か変わったかと言えば聖があれほど撮っていた写メを撮らなくなったぐらいだ。


飽きたか、なんかかな。



今日も、四人で出かける。
それが、もう当たり前だった。



講義中。

隣にいる尚子は、熱心に講義を聞く私に肘をつきながら尋ねた。


「いずちんさ、聖といい加減付き合ったら?」


「………え?」

集中していた私は、半分聞き取れず聞き返す。

「聖さ、いずちんのこと相当好きだよ。
学も言ってたし」


「…………」


「付き合ってから始まる恋もあるんじゃない?」


「……………それでも」


「「好きな人が忘れられない」」


私と尚子の声が重なった。
それから尚子は溜め息をつきながら。


「でしょ?」


それに曖昧に笑う。