その日は、泣いたお陰かぐっすりと眠れた。
いつも見る、苦しい夢も今日は見なかった。


翌朝、目覚めた俺は。
ある事を心に決めていた。

それはずっと思っていたこと。

だけど、踏ん切りがつかなかった。



…………もう、決めた。



このたんぽぽ院を出て、一人で暮らそう。


鈴恵さんの負担を減らしたくて、ずっといたけど。
きっと、鈴恵さんの側にいたら俺は甘えてしまう。

それじゃいけない。


例え、鈴恵さんの元を離れてももう恐れない。



だって、俺には帰る場所があるから。
いつだって、受け入れてくれる人がいるから。



だから、前を向けるんだ。