レンタル彼氏【完全版】

アラームをセットしてから携帯をパチンと閉じる。
ごろんと寝転がると、天井を見上げた。



……何で聖も美佳も月曜なんだろう。
珍しいな、同じ日にかぶるの。

昼、寝たくせに寝転がるとすぐに睡魔が俺を襲った。
瞼を閉じると、自然と夢の世界に落ちていった。



……………あれ?





ここ、どこだろう。




真っ暗闇。


何も、ない。
手探りで、辺りに何かないか探す。




「………誰か、いますか?」


誰も、いない。



…………何だよ、この暗闇。


背筋がぞくりとした。



………孤独?


…………独り?




絶望。





「いやだ、いやだ、いやだー!」


俺は取り乱しながら、叫んで、首を振り続ける。









「伊織」



その、声のした方を振り向く。


……………灯り?



……誰?






「伊織。
泣かないで」



ドクンと、心臓が波打った。