まだ動こうとする俺を、無理矢理部屋に追いやると鈴恵さんは休みなさい!と言って出ていた。


………今出てったら、鈴恵さん本気で怒りそうだな。

しゃあねえな。
ベッドに横になるか。


ベッドに横になると、俺は目を閉じた。


本当に寝るつもりなんかなかったけど、気付いたら眠ってたみたいで起きた時にはもう、外が暗くなっていた。


慌ててダイニングに行くと、もう食事を済ませた後だったらしい。


「あーにぃに、寝坊助ー!」

あんが笑いながら言う。

「はは、にぃに寝すぎたみたい」


「にぃに、ご飯はあ?」


「今日ねっ、俺達が作ったんだよっ」


「そうなの?」

しょうに、まさとが言う。

「俺ね、食べるだけっ」

まさが威張りながら言うから吹き出した。


「食べただけかよ」


「うん、うまかった!」

そうやって皆が俺の周りに群がって、話をしていると鈴恵さんが声をかけた。


「ご飯は?」


いつも、何も聞かない。

だけど。
いつも俺のことを分かってるみたい。