「今日は失態を見せちゃったからさ、やり直し!」


「ぷっ、やり直しって」


「だ、だって。まさか自分がこんな弱いだなんて知らなかったんだもん」


笑う聖に、ムッとしながら反論する。
聖は更に笑いながら

「あはは、うん、また行こうねっ」

そう言った。



私にとっては。

これで終わりだと思っていた。



この日。



まさか、この日に。








私は伊織と再会してるだなんて。



誰が。

誰が。



誰が思うんだよ。




その間の記憶は全くない。
こんなに記憶ってすっぽりと抜けるんだって。

お酒の力は怖いって。


なあんにも疑わない私がいたんだ。





伊織。



お願い。



泣かないで。




泣かないで…………。