胸元で光るネックレス。
鏡にうつるそれを見つめて、ふっと笑う。


美佳は俺を置いていなくなった。

しかもね?
俺が一番、打ちのめされてる時に。


でも。
でも。



どうしても。


美佳だけは憎めないんだ。
美佳もわかってて、わざと連絡先を教えていないんでしょう?


だって。
教えようと思えばいくらでも出来た。

手紙に連絡先書くことぐらい可能でしょ?


それをしなかったのは、会わないようにしたんだよね。


俺を裏切ったと思ってる美佳がする罪滅ぼし。




美佳?



俺、言いたいんだよ。
美佳は俺に大切なことを教えてくれたんだから。


俺達家族、なんだろ?
あんなダメオヤジより、余程家族に近いんだろ?



美佳は、やっぱりムカつく。



一人で分かった風で。
一人で我慢して。