映画館を出た後、腕を組む女を伊織はタクシーに乗せると、女だけ乗せてその車を見送った。
そこで私は見た。
タクシーがなくなった後の彼の冷たい眼差しを。
さっき思った恋人同士のレッテルは、やはり取りのぞいた方がよさそうだった。
伊織はタクシーの走り去った方と反対に向かっていた。
慌てて私は後を追う。
どうしたらいい?
どうしたらいいんだ?
伊織を引き止める言葉が思い浮かばない。
だけど。
きっと!
ここで声をかけなければ一生後悔する。
そう、思った私は一大決心をして声をかけた。
「伊織…さん!」
さん?くん?
伊織としか呼んでなかった私は、その一人称に少し違和感を感じる。
そこで私は見た。
タクシーがなくなった後の彼の冷たい眼差しを。
さっき思った恋人同士のレッテルは、やはり取りのぞいた方がよさそうだった。
伊織はタクシーの走り去った方と反対に向かっていた。
慌てて私は後を追う。
どうしたらいい?
どうしたらいいんだ?
伊織を引き止める言葉が思い浮かばない。
だけど。
きっと!
ここで声をかけなければ一生後悔する。
そう、思った私は一大決心をして声をかけた。
「伊織…さん!」
さん?くん?
伊織としか呼んでなかった私は、その一人称に少し違和感を感じる。



