自分だってわかってる。
順二といる方が幸せになれること。


だけど、私じゃないんだ。

あの、伊織を幸せに出来る人はきっと私しかいない。

順二には、これから未来、私以外の人と出会えると思う。


だけど、伊織は無理なんだ。
だって、伊織は普通じゃないから。


私しかいないんだよ。


これも私の勝手な思い込み、エゴかもしれないけど。


まあ、そんなことをはっきり順二に言ってしまったから順二が怒ってしまったんだ。


これは和も知らない。



いつかの放課後。
和が先生に頼まれたからと、図書室に行ったのを教室で待っていた時。

順二が教室に残った私に声をかけた。


「泉」


「あ…順二。まだいたんだ」


「ああ、もう帰る。和は?」


「先生に頼まれたっつって図書室」


「ふーん、まだいんの?」


「うん、一緒に帰るから」


「そっか…」


言ってから順二は私の前の席に腰掛けた。
体は私に向けて。


「………やっぱりさ、俺と付き合わない?」