俺は踵を返して、真っ直ぐに母親の元へ歩いた。

心配そうに、不安そうに俺を見つめている。



………大丈夫。

怒ってはいない。
責めるつもりもない。


だけど。




お願いだから、もう…。



もう、捨てないで。



世間を知ってる風な顔してるけど、まだ14年しか生きてない。


精一杯、大人ぶってるけどまだ、甘えたい盛りの子供なんだ。

恥ずかしくて、行動にうつせないだけ。



そんな。



母親との同居こそが、俺の本当の堕落の始まりだった。




もっと早くに。

気付けたら…。





俺の隣に今も、泉はいたのかな……?

もっと違う形で出会えたのかな………?