一日、仕事を終えた時、もちろん疲労はあったけど、それ以上に充実感が大きかった。
仕事をこなすことが、こんなにも楽しいだなんて。

この時は本当に純粋にそう思っていた。


まだ美咲さんは接客していたけど、さすがに日付は越えさせられないと俺を上げてくれた。

一人で帰る道も、キラキラしてる気がした。

無限の可能性が広がってるような気がした。


家に帰宅した俺は、母親に友達の家で勉強をしていたと嘘をついた。
それを疑うことなく、母親はもう少し早く帰宅してね、とだけ俺に告げた。

毎日毎日、この時間になるのはさすがにまずいと思う。
だから、俺は素直に家に帰ってご飯を食べる。
それから部屋に籠もったと思わせて、窓から抜け出すことにした。


多分、それが一番いい。
そう思ったから。


それが一週間続いた時、店長から声がかかった。