レンタル彼氏【完全版】

「あの…」

店長は振り向くと、笑顔で首を傾げた。

「何?」


「美咲さんってどんな人なんですか?」


「何も美咲のこと知らない?」


「あーってか、さっき会ったばっかだから…」


「えっ?会ったばっかって、それは初めてだな…。
美咲はこの店の不動のナンバーワン。
売り上げのほとんどを美咲が稼いでるから、俺も強く言えないのよね」


「…そんな凄いんですか?」


「うん、美咲の1週間だけでフェラーリ余裕で買えるよ」


「…………………」

す、すげえ。
俺の本当に知らない世界だ。


一応両親にお小遣いを貰ってはいるが、ねだったことは一度もない。
だけど、やっぱりもっと自分のお金を欲しいと思ってた。


中学生だから、バイトも出来ないし、どうすることも出来ないと思ってた俺に、これは思ってもない朗報だった。

それに夜の世界はドキドキする。