レンタル彼氏【完全版】

二人が俺を見つめる。
あ、やべ。

「俺、ダブってもないし、高校生でもないですよ」

俺の返答に彼女が自信満々に店長にほらーと言うが、次の俺の一言に固まった。


「俺、中学生ですから」

それに二人ともしばらく固まっていた。
先に口を開いたのは店長。

「まじかー!大人っぽいな、高校生だとばかし…。
中学生には見えなかったな…「ねえ!お金欲しくない?」

店長の言葉を遮りながら、また彼女は意味不明なことを言う。

俺が目をぱちぱちさせてると、

「ここで働きなよ、いいよ!ここ!」

俺の肩をがしっと掴んで言った。

「おいー…美咲、営業停止にさせる気か?」


「もー決めたのー!それに言わなきゃわからなくない?」


「いやなあ、でもさすがに中学生は…」


「私が来なくなったらそれこそ営業停止になるでしょ!」


「………美咲ぃ…」


店長は渋々、頷いた。

俺はやるなんて一言も言ってもないのに。