レンタル彼氏【完全版】

慌てて私は着信履歴を押して、伊織の番号にかけた。
心臓がこれでもか!ってぐらいうるさい。


コール音がして、すぐに出た愛しい人の声。


「…泉?」



ああ。
どうして。
どうしてだろう。



伊織と話したら文句言ってやろうとか。
たくさんたくさん頭でシュミレーションして。


たくさんたくさん言葉用意してたのに。

伊織の声聞いたら。

愛しい気持ちが溢れ出してきて。



やっぱりバカみたいに好きだって思っちゃって。


「今日学校は?」


「…サボっちゃった」


「……そっか。少し、会える?」


その言葉に胸が高鳴る。
伊織に。


「…会いたい!」



一時間後にいつものファーストフードで待ち合わせをして、私はすぐに顔を洗ってメイクを始めた。


目の腫れも大分引いた、…気がする。
後はメイクで誤魔化すしかない。

更にだて眼鏡でもして、紛らわそう。