他愛もない会話を繰り返して、気付けば私の家の前まで来ていた。

「うわ、もう家?早いっ」


「あーやっとか!泉のお守りは終わったな」


「何それー?!頼んでないしっ」


「ははっ、誰のおかげで帰ってこれたと思ってんだ」


「私のおかげですっ」


「うわ、可愛くねぇ」

舌を出してあっかんべーをする。
順二がわざとらしくしかめっ面をしてみせる。


「順二、ありがとう」


「…なんだよ、改まって」


「送ってくれてありがとう」


「ば、ちげーから」


「いや、何が違うんだし」


「あーもう、いいから、早く帰れって」


「何、それー!わかったー!帰るし」


「おう、帰れ帰れ」


「ふふ、また明日ねっ」

そう言って自転車を駐輪場に止める。