彼女への思いやりなんかない。
そんなこと考えてない。

ただ、こうしてもらいたいんだろ?って考えながら、それをして、客に喜ばれて優越感に浸ってるだけ。


俺の手の中で踊らされてるんだよ?
そう、思いたかったがため。


我ながら醜いと思う。

だけど、俺をそんな打算的にさせたのはこの万里さんだった。


大分よくなったけど、最初は酷かった。
気に食わないことがあると俺を罵り、頬を叩く。


まだ若かった俺はそんな万里さんに反抗的な目をしてたと思う。


だけど。
いつしか諦める。



彼女は俺が反抗的になればなるほど燃えるのだと。

そう、気付いたから。