「伊織、ご飯食べてる?」


「え?何で?」


「なんか、痩せた」


「そう?」


「うん」


「…元々食べんの好きでもないし」


「何それっ!伊織細いのにもっとガリガリになっちゃうよ」


「泉はもう少し痩せた方が…」


「う、うるさいっ」


わかってるよー!
別に標準体重だけど、伊織が細すぎるから並ぶと太って見えちゃうんだよ!


「…ふはっ」


「………伊織」


伊織が、笑ってくれた。


私、前にも同じこと思った。

どうして伊織が笑ってくれることが、こんなにも嬉しいのだろうか。


肩で笑う伊織を見て、思わず目を細める。
夕陽が眩しかったからじゃない。




伊織が眩しかったんだ。