ちなみに廊下の張り紙には期末結果の順位が
学年全員分書かれている。

だから、もちろん学年最下位のお馬鹿チャン
も丸分かりっつーわけでして…

「うおう!最下位の常連、また瀬戸内紀伊(セトウチキイ)じゃん。」

「…ん?」

あっれー?

瀬戸内紀伊ってどっかで、うーんどっかで聞いた…!!

「あ!そ-だ!」

うんうん。思い出しましたよ。

さっき体育館裏に来てっていったクラスメイトの女子だ。

いやあ。私たちの正体も知らない期末最下位の常連さん
がよく私たちに刃向かったものよ。

ちなみにこの学校はお嬢様学校ってわけじゃない。

普通の私立進学校。

だから、瀬戸内紀伊もお嬢様ってわけじゃあない。

なんで言い切れるのかって?

うちの7つ離れた兄(シスコン)がこの学校の理事長
なわけ。

で、このクラスのプライバシープロフィールなんてすぐに
手に入るわけ。

たしか瀬戸内紀伊の家柄は母親は専業主婦で父親はサラリーマン
で紀伊は一人っ子。

おお。われながら凄い記憶力。

「紀伊ってアレでしょ?さっき蒼那を体育館裏に呼び出した。」

「うんうん。そーですよそーですよ。」

愛那の言葉に私はこくりこくりと頷いて返した。