「音…今からコンタクト買いに行くよ、それから美容院に行って、服も買いに行く
…本当の音を見せてあげるから楽しみにしてて♪」

「ホントに…コンタクトにしてもいいの?」

3人声を揃えて
「「「コンタクトを許可します!」」」
声を高らかに宣言する

予定がいっぱいだから…飲んだら急いでメガネ屋に行こうね‼


ゆったり飲むはずだったカプチーノを慌ててのどに流し込みカフェを後にした…


「いっしゃいませー あれ…白川様?まだこちらから連絡さしあげて無かったはずですが…」


幼い頃より通っているメガネ屋さん
先週壊れたフレームの修理依頼で訪問したばかりだったので、担当の加藤さんが困惑気味に近づいてくる

「今日はフレームのことではなくて…コンタクトレンズを買いに来ました」

「そうでしたか…やっとコンタクトにする気になってくださったんですね!」

とても嬉しそうな加藤さん、以前から何故コンタクトにしないのか?と言われ続けてきたから…

「加藤さん…この後も予定が詰まっているので急いで下さいますか?」

何故か?威圧的な態度の佳乃が加藤さんを急かしている

「…そうでしたか、申し訳ありませんでは早速始めましょう」

長い付き合いの私たちは『おと』の付き添いでここに来ること度々あった…


担当の加藤さんは推定年齢30歳、身長目測で約178cm…
さすが職業柄…自分に似合うメガネをかけた中々のイケメンで『音』の素顔を知る数少ない中の一人
でも佳乃が加藤さんを警戒するのにはちゃんと訳があった…

近頃の加藤さん…『音』を見る目がお得様以上に感じる

これは女の勘

接客態度は申し分無いものの何かが引っ掛かる…

だから2人が必要以上に接触するのを警戒して4人で訪問したし、今後も付き添うつもりでいた