土方の言葉に、薫は口を開きかけたが直ぐに噤んでしまった。


薫が疑問に思った内容は、口にすること自体が、自殺行為のようなものだったのだ。





ところで土方はと言うと、はっきりしろと言ったにも関わらず、口を開いては閉じ手を繰り返す薫に苛立ちを感じていた。


そして土方が薫を睨み付けてから数秒後、薫は観念したように口を開いた。





薫「えっと………私のこと斬らないの?」


土「あ?……………んなの次があれば容赦はしねぇよ。」





薫は、土方の言葉に安心を覚えた。


自分が何者かが分からないまま死ぬのは避けたかった。


薫は、自分の命を自分の記憶の為に無くさないでいようと誓ったのだった。