「…十夜さんが朝希を…好きな私が好きって
言ったとき、十夜さん悲しそうな顔したから…
その、追いかけてきちゃいました」
言い終わると十夜さんは黙っていた
むっ…無言?
やっぱり、迷惑だったかな…
「ふ…はは」
えぇ!?
笑った…?
「お前、ほんとおもしろいな。追いかけて
きちゃった…か」
空を仰ぎながら言った
わ、私…笑われるようなこと…
「愛莉、朝希が好きか?」
空から私に視線を変えた
ここは…しっかり言わなきゃいけないんだ
「…好きです」
「返事…くれてありがとな。さっ、帰るぞ」
十夜さんは私の言葉を受け止めた
体を翻して車に戻った
「と、十夜さん…置いていかないでください」
「はら、さっさと乗れ」
数十メートル離れた車に向かった
「こりゃ…諦められねえかもな」
私には全く聞こえない声で十夜さんは呟いていた