「中3の時…俺はかんなと付き合っていた。
受験とかがあったけど、お互い頑張ってた…
けど、その時にかんなの親に頼まれたんだ」
「なんて…?」
「かんなと別れて欲しいって」
別れて欲しい…?
「その時、かんなの親父さんの転勤が決まったんだ。そんなに遠くないところだったけど…
転勤ってことだけで、別れなきゃいけないのかって思った」
一呼吸置いて朝希は続けた
「でも、それだけじゃなかったんだ。
かんなに受験に集中して欲しいからって言われた…」
そんな…
好きなのに別れなきゃいけないの…?
「別れたくなかったよ…
けど、あの時の俺には何も出来なかった。
たかが中学生に何が出来るんだって…」