「希の戸籍も?」
「もちろん。ネットで色々調べたら、希ちゃんの出生届の方が俺達の婚姻届より先だから、面倒な届けが必要らしいけど、ちゃんと俺達の子どもとして記載出来るらしいよ」
「そうなんだあ……」
「そうした方が、希ちゃんのためにいいんじゃないかと思うんだよね。というか、そうすべきだと思う。ただ、希ちゃんが大きくなったら、本当の事を話してあげるべきだろうな、とは思うけどね」
「ん……」
「それは先の事だから、今から考える必要はないと思うよ。で、本当の事を知ってるのは、俺達の他には真琴と阿部と渡辺さんだけだと思う。尚美は誰かに話したか?」
尚美はしっかりと首を横に振り、「ううん、話してない」と言った。
「よし。真琴と阿部は友達だから、頼めば黙っててくれると思う。問題は渡辺さんだけど、俺からお願いをするよ」
「なんて?」
「希ちゃんに会うのは構わないけど、父親と名乗らないでほしい、って。あ、それと養育費は要らないって言う。当たり前だけど」
「聞いてくれるかしら……」
「わからない。でも、何としてもそうしてもらうよ。土下座してでも。でも大丈夫だと思う。俺が尚美と結婚するって言ったら、希ちゃんの事をとても心配してたからね」
「えっ?」
「つまり、ほら。俺達の子どもが出来た時、その子と希ちゃんが差別されやしないか、ってね。俺は“大丈夫です”って言ったけど」
「あなた達、そんな話までしたの?」
尚美は、恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「したよ。大事な事だから。そういう事だから、きっと渡辺さんは了解してくれると思うんだ。あの人には辛いかもだけどね……」
「驚いた……。何もかも準備万端って感じなのね?」
尚美はひどく感心したようだ。俺としては、それ程の事とは思っていないのだが。
「もちろん。ネットで色々調べたら、希ちゃんの出生届の方が俺達の婚姻届より先だから、面倒な届けが必要らしいけど、ちゃんと俺達の子どもとして記載出来るらしいよ」
「そうなんだあ……」
「そうした方が、希ちゃんのためにいいんじゃないかと思うんだよね。というか、そうすべきだと思う。ただ、希ちゃんが大きくなったら、本当の事を話してあげるべきだろうな、とは思うけどね」
「ん……」
「それは先の事だから、今から考える必要はないと思うよ。で、本当の事を知ってるのは、俺達の他には真琴と阿部と渡辺さんだけだと思う。尚美は誰かに話したか?」
尚美はしっかりと首を横に振り、「ううん、話してない」と言った。
「よし。真琴と阿部は友達だから、頼めば黙っててくれると思う。問題は渡辺さんだけど、俺からお願いをするよ」
「なんて?」
「希ちゃんに会うのは構わないけど、父親と名乗らないでほしい、って。あ、それと養育費は要らないって言う。当たり前だけど」
「聞いてくれるかしら……」
「わからない。でも、何としてもそうしてもらうよ。土下座してでも。でも大丈夫だと思う。俺が尚美と結婚するって言ったら、希ちゃんの事をとても心配してたからね」
「えっ?」
「つまり、ほら。俺達の子どもが出来た時、その子と希ちゃんが差別されやしないか、ってね。俺は“大丈夫です”って言ったけど」
「あなた達、そんな話までしたの?」
尚美は、恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「したよ。大事な事だから。そういう事だから、きっと渡辺さんは了解してくれると思うんだ。あの人には辛いかもだけどね……」
「驚いた……。何もかも準備万端って感じなのね?」
尚美はひどく感心したようだ。俺としては、それ程の事とは思っていないのだが。



