「ここに……ん……」
そんな予定ではなかったのだが、気付けば俺は、尚美の口を塞いでいた。俺の口で……
俺を見上げる尚美があまりに可愛くて、無事でいてくれてホッとして、渡辺さんを振ってくれた事が嬉しくて、そんな色々な思いが溢れ出し、キスしなければいられなかったんだと思う。
久々に、と言うほど久々ではないが、味わう尚美の唇は、やはりすこぶる美味しかった。甘い果実、あるいはマシュマロのようだ。つい調子に乗って舌を入れようとしたら、尚美に胸を押し返されてしまった。
「もう、涼ったら……」
「ごめん、調子に乗り過ぎた」
「どうしてあなたがここにいるの?」
「えっと、それは……じゃなくて、おまえこそ何やってんだよ!」
安心したら、現金なもので今度は怒りが込み上げて来た。
「ふぇー」
俺の怒鳴り声にびっくりしたらしく、希ちゃんが泣き出してしまった。
「ああ、ごめんね、希ちゃん。俺はね、バカなママを叱っただけなんだよ? ほら、こっちへおいで?」
俺は希ちゃんを持ち上げ、おぶい紐を解きにかかった。
「ちょっと、どうして私が叱られないといけないの?」
尚美は、おぶい紐を解くのを手伝いつつも、口を尖らせてそう言った。
そんな予定ではなかったのだが、気付けば俺は、尚美の口を塞いでいた。俺の口で……
俺を見上げる尚美があまりに可愛くて、無事でいてくれてホッとして、渡辺さんを振ってくれた事が嬉しくて、そんな色々な思いが溢れ出し、キスしなければいられなかったんだと思う。
久々に、と言うほど久々ではないが、味わう尚美の唇は、やはりすこぶる美味しかった。甘い果実、あるいはマシュマロのようだ。つい調子に乗って舌を入れようとしたら、尚美に胸を押し返されてしまった。
「もう、涼ったら……」
「ごめん、調子に乗り過ぎた」
「どうしてあなたがここにいるの?」
「えっと、それは……じゃなくて、おまえこそ何やってんだよ!」
安心したら、現金なもので今度は怒りが込み上げて来た。
「ふぇー」
俺の怒鳴り声にびっくりしたらしく、希ちゃんが泣き出してしまった。
「ああ、ごめんね、希ちゃん。俺はね、バカなママを叱っただけなんだよ? ほら、こっちへおいで?」
俺は希ちゃんを持ち上げ、おぶい紐を解きにかかった。
「ちょっと、どうして私が叱られないといけないの?」
尚美は、おぶい紐を解くのを手伝いつつも、口を尖らせてそう言った。



