「わたし、真剣に聞いてるんだけど!」 そう、萩の前に立ち塞がって、わたしは大声で言った いつも、冗談交じりにしか言葉を返さない。 「は?何で怒ってんだよ」 「別に怒ってないし、真剣に聞いてるの!!」 ふてぶてしく、わたしから視線を逸らした。 その顔に、さっと迷惑の文字が過ぎったようにも、見える。