君の口が開き、わたしは次の言葉を待った。 「メリークリスマスの綴り、間違ってんぞ」 「――――・・・・・は?」 トントン、と突かれた指先を見ると確かに、何かが違う。 かっと頬に熱が上り、プゥッと頬を膨らませる。 「おい、拗ねんなよ。 ・・・・・俺も、好きだよ」 その言葉と共に、もう一度唇に君が重なる。 ま、そんな不器用な君も、嫌いじゃないよ。 ふふっと笑ったわたし達を、イルミネーションの光と、降り出した粉雪が包んでいた。 『不器用クリスマス』end.