入学式から翌日。


[今日は遅刻しずに着いたよ!っと。]

まだ慣れない1年2組の教室で、私はメールを打っていた。

ピロリン♪

「早っ!」

携帯をしまうまでもなく、すぐに彼から返事が返ってきた。

[みずき、早いな!!俺も、もうすぐ着くぜ。]

彼から来たメールに返事を返そうと、本文を開いたとき勢いよく教室の扉があいた。

ガラッ!!


寝癖をいろんなところにつけた彼にあきれながら、私は声をかける。

「おはよう、優。」

「おっす!みずき。」

あくびをしながら、机に座る優に笑いながら言った。

「寝癖ついてるよ?」

「う、うるせー!!オシャレだよ!」

なんて話していると、担任の"あの先生"が教室に入ってきた。

「おーい!静かにしろ~。ん?」

"あの先生"とは坂本先生のこと、その先生が不機嫌そうに見ているのは...私たちのほうで。

まだ昨日のことを怒っているのでしょうか...(汗)

「松永。」

「は、はいっ!」

そんなことを考えていたら急に名前を呼ばれて、肩がビクッとなった。

恐る恐る坂本先生に目を向けると、先生がフッと鼻で笑ってから

「おはよう。」

と言った。

「あ、あの..おはよう、ございます。」

予想外の反応に驚きを隠せない。

だけどそんな私をよそに、

「さかもっちー!おはよっ☆」

ウインクしながら目の前でピースを作り、さかもっち、もとい坂本先生に優は明るく言った。


その瞬間、教室の空気は凍りついた。