私が小さく手を振ると 慧兒がそれに気づいてくれたのか手を振り返してくれた。 慧兒は私に手を振り返すとすぐ仕事に戻ってしまった。 なんだか急に寂しくなって慧兒を見つめていた。 しばらく見ていると慧兒がチラッとこっちを向き 口をパクパク動かした。 『し ご と や れ よ ば か』 そう言ってニコッと笑った。