言われたことの意味がよくわからなかった。
「助ける…?私が?」
そりゃ助けられるものなら助けたいけど、私は医者じゃないし、雪見さんを助けるなんて…
「たぶん、夏樹ちゃんにしかできない。」
「わたしにしか?」
どういうこと?
「この子は病気とかそういった理由で苦しんでるわけじゃないの。」
「どういう…」
「猫。」
絹代さんはぽつりと言った。
「この子の中に猫がいる。」
猫が…?
雪見さんの、中に?
「この子の中には猫がいて、この子は猫と同化してる。そして、最近この子はその猫の力を使ってかなりの無理をした。」
この間の爆発事件が思い浮かんだ。
「この子は爆発に飛び込んでいったのね。」
どうして、それを…?
「あの…いたんですか?あの爆発事件の現場に。」
すると絹代さんは首を横に振る。
「いなかったけど、見せてもらったの。映像を。」
「映像を?」
「えぇ、この子から。」
絹代さんはぬーちゃんと呼ばれたあの黒猫を抱きかかえた。
「ぬー…」
ぬーちゃんが小さく鳴く。
ぬーって鳴くからぬーちゃんなのか。
でも、猫から映像を見せてもらうってどういうこと?


