これってもしかして…
信じたくはないが、浮気ってやつなのか?
だとしたら俺は智子に寂しい思いをさせていたに違いない。
だから智子は他の男に愛情を求めてしまったのだ。
たしかに俺は最近バイトで忙しく、あまり智子に構ってはいなかった。
そのせいだ。
ごめん、智子…
「この家に出入りしている男は何人もいるが…お前は初めて見る顔だな。アキハだったっけ?よろしくな。」
毛づくろいをしながらマカロンは言った。
「何人も…?」
「おう。アキハで7人目くらいかな。」
ショックだった。
でもこの口の悪い猫が嘘を言っているようにも感じられなかった。
俺はどうしたらいいんだろうかと呆然としていると、智子が戻ってきた。
「あ、マカロン!入って来ちゃったの?」
智子がマカロンを抱き上げる。
「おう、智子!」
マカロンが智子に頬ずりをする。
「もう!マカロンくすぐったいよー。」
智子が笑う。
なんとも可愛らしい絵面だった。
そしてさっきのマカロンの言葉を思い出す。
マカロンとじゃれ合う智子の横顔を見ながら、俺は戦っていた。


