「アキハくん?アキハくん!」
誰だろう。
誰かが俺を呼んでいる。
…雪見さん?
いや、違う…この声は…
「…吉田さん?」
目の前に目に涙を浮かべた吉田さんがいた。
「え?吉田さん、どうしたんですか。」
「どうしたんですかじゃねーよ!お前三日間意識不明だったんだぞ!!」
「三日間…?」
「そうだよ!死んだかと思った。」
どうやら俺はまだ死んではいないらしい。
「俺、生きてるのか。…そうだ、爆弾は?犯人は?」
「犯人は爆発で亡くなったよ。店長は無事。昨日意識を取り戻して今日は警察の取り調べを受けてる。」
「よかった…」
「君が逃がしたらしい猫たちもみんな無事。あとお客さんもみんな無事。雪見さんが避難させていてくれたみたいだね。」
「そうですか。それで、雪見さんは?」
俺が尋ねると、吉田さんは急に暗い表情を見せる。
「雪見さん、君を庇って爆発の中に飛び込んでいったんだ。」
「……」
「あの爆発で生きていた君は奇跡だって医者が言ってたよ。雪見さんが助けてくれなきゃ君は死んでた。」
「雪見さんは…?」
黙って俯く吉田さん。


