「はぁ…」


いいな、猫は気楽で。





ふと時計を見ると針は3時を指していた。


「バイト…」


今日は4時からバイトだ。


指定校推薦で大学が決まった俺は、冬休みからバイトを始めた。


家から電車で15分くらいのところにある大型ショッピングセンターのペットショップのバイトだ。


動物はもともと好きだし時給も高い、俺にとってはいいバイト先だ。


さっきも述べた通り、親の遺産はあまり使いたくない。


冬休みは稼ぎ時だ。


なるべくたくさん稼いで貯金をしておきたい。


「のぶ代さん、俺今からバイト行ってくるから。」


「そうにゃのか?」


のぶ代さんがつまらなさそうな声を出す。


「じゃあわたしもでかけるかなー。」


のぶ代さんはコタツから這い出て大きな欠伸をしながら伸びをする。


「のぶ代さん出かけるのか?どこに?」


「しゅうかいだよ、ねこのしゅうかい。」


「集会か。」


野良猫がよく集まって雑談してるあれか。


「うん。アキハといっしょにわたしもでていくよ。」


「わかったよ。」


俺はコートを来てマフラーを巻いた。


カバンにバイトの制服を入れ、ポケットにカギと携帯と定期が入っていることを確認。


「よし、行こう。」


俺はドアを開けて、寒い冬の外へと足を踏み出した。





これから起こることを俺はまだ知らない。