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「あのこ、かわいかったにゃー。」


コタツから這い出てきたのぶ代さんは、そのまま座布団に寝転がる。


「あれ、テレビでみたことあるぞー。」


「南さんのことか?」


「そうそう。このまえテレビにでてた。」


「彼女、アイドルだからな。」


「あいどるー?」


のぶ代は不思議そうな顔をする。


「そう、アイドル。」





さっき、南さんが俺の家を訪ねてきた。


雪見さんの居場所がわかったのだそうだ。


そして、雪見さんは今、かなり危険な状態にあるということも知った。


雪見さんを助けるには、たくさんの猫の力が必要らしい。


そこで、南さんは俺に協力を求めるためにここまでやって来たのだった。