「えっ…………あの、田中……先輩っ!?」


「行くぞ。」


俺がいきなり杏奈の腕を掴むと、驚いたようだ。


まぁ、驚くよな。


いつもの俺じゃないから。


俺自身でもこの行動が止められねーんだ。


このパーティーは指輪交換でダンス相手が決まる。


さっきから、杏奈に対する男子どもの視線を感じる。


杏奈は全くわかってないらしいけど………………


「田中先輩っ、し、仕事ありますからっ!」


「んなもん、どうでもいい。」


どうでもいい。


とにかく、こいつらから離したい。