――カランカラン。 『いらっしゃいませ』 店員に連れが待ってることを伝え 美香さんがいる席へゆっくり近づく。 「修」 マルは今日一体どんな気持ちで 俺と過ごしていたんだろうか。 何を思い何を堪え、どんな気持ちで今ここに居る俺を送り出したんだろう。 「マルに何言ったの」 会うのは数年ぶりなのに 口から出た言葉はそれだった。 そんな俺を見て遣る瀬無さそうに笑う美香さん。 「相変わらずね、修は」